その凄まじいインパクト。

カラフルで個性的な鳥のヒナたちが、一斉にエサを求めているようにしか見えない。なんだこれ。

この広い口、
茶葉が詰まるはずがない。

 冬、温かいお茶が飲みたくなる。抹茶が有名な京都だって、家で飲むのはたいてい番茶かほうじ茶、と決まっている。玉露などはお客さんにお出しするためのもの。毎日飲むお茶は、おしなべて茶色い。

 歳をとるごとに、自分の日常に蘊蓄が増えてくる。普段使いの急須も、そのひとつ。ちゃんといいものを選びたい。そんなややこしいお年頃が、口をそろえて賞賛するのが「ペリカン急須」だ。姿形は鳥のペリカンに似ていて、広く大きな注ぎ口は、凄まじいインパクトを放つ。さらに、その凄まじさは茶漉し要らずにして、どんな不器用な人でも茶葉を詰まらせることはない。

使いやすさは、
技とこだわりの賜物。

 比叡山を望む高台に工房を構える、京都市左京区岩倉の京焼・清水焼の「晋六窯」。先々代が考案した「ペリカン急須」を作り続けて60年余り。今も変わらずろくろを挽き、全工程を手作業で行う。「数は作れません。ひとつずつ、微妙に表情も違います」と、三代目は話す。注ぎ口に並ぶ百数十の穴は、傘の骨を加工した専用の道具を使ってひとつひとつ、手で開ける。見た目のインパクトだけではなく、伝統を受け継ぐこの技とこだわりがとってもキューリだ。一品ごとに急須の表情を変え、それぞれ無二のペリカンにしていく職人の手仕事に脱帽する。

何を淹れてもおいしい。
だから生まれた新種のペリカン。

 「ペリカン急須で入れたお茶は、なんかおいしい」。そう言う声が少なくない。「紅茶もこれで入れている」、「コーヒーポットの代わりに使っている」。いつごろからか、そんな声も増えてきた。現代人はお茶だけでなく、紅茶もコーヒーもこよなく愛する。例えば急須でコーヒーも、伝統と進取の気風に富んでおしゃれっぽい。しかし、急須の上にドリッパーを置いた眺めはやはりちぐはぐで、少し滑稽だ。

 ならば、と生まれたのが「ペリカンティーポット」である。元祖「ペリカン急須」の特徴はそのままに、紅茶もコーヒーも楽しめるようデザインを刷新。水色と白の釉薬で仕上げた穏やかな色味は、目にもしっとりと心地よい。客人だって、この急須からコーヒーが出てきても違和感がないだろう。

「ながら族」に相応しいアイテム。

パソコンをしながら、LINEをしながら…。そんな忙しい人でもご安心。なにも詰まらない、決してこぼさない。家でお茶を飲む時間を、ちょっと特別なひとときに変えてくれる。日本茶でも紅茶でも、コーヒーでも、どうぞお好きなものを。巣ごもりの生活に、ペリカン急須が運ぶ一杯の幸せを味わいたい。


京焼・清水焼窯元 晋六窯 
京都市左京区岩倉幡枝町322
075-721-3770
10:00〜17:00
土日祝休日
https://pelicankyoto.jp/
オンラインショップ

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