その一滴は世界を変える。

きっと、あなたもクセになる。

 お好み焼きやたこ焼きのことを、関西では俗に「粉もん」と呼ぶ。主には刻んだキャベツと小麦粉と卵。場合によっては天かすや紅ショウガなども。このあたりに、何を入れるかが、それぞれの店や家庭の味に個性が生まれるところ。しかし、「粉もん」で一番大切なのは何と言っても「ソース」である。ソース良ければすべて良し、とまで言ったら言い過ぎか。いや、言い過ぎではない。そう言いたくなるソースがある。スパイスが凝縮されたその一滴を知ってしまったら、もう後戻りは不可能だ。それはまるで「禁断の味」。さあ、覚悟はいいか。

ツバメが運ぶスパイスの芳香

 ラベルに描かれたその鳥は、南風を翼に受けて飛ぶツバメ。春たけなわを告げる鳥の名を冠した「ツバメソース」を手掛けるツバメ食品は、1930(昭和5)年の創業以来、ソース一筋に歩んできた。定番のウスターソースからお好み焼き、焼きそばソースをはじめ、強烈な刺激がファンの舌と心をとらえて離さない「オリソース」まで。その種類は多岐にわたり、いずれのソースも、16種類のスパイスとタマネギ、ニンジンなどの香味野菜から取った出汁を丁寧に熟成させて出来上がる。

 親から子へと一子相伝で、創業以来の製造方法を守り続けてきた。「スパイスは仕込む直前に挽きます。手間はかかるけれど、ソースの味は変えられない」。六代目を担う男の言葉は、朴訥さの中に覚悟とプライドがにじむ。スパイスの香りが骨の髄まで染み込むような、この職人魂こそキューリである。

あえて「激辛」とは言わない、
これは「飛び切り」である。

 芳醇な野菜の旨味と鮮烈なスパイスの香りが生きるツバメソースは、他の追随を許さない。なかでも第一等は、スパイスそのものがたっぷり含まれる沈殿した底積みを使った「オリソース」。旨味、芳香、刺激、すべてが飛び切りのこの味を覚えると、だれもが虜になるだろう。お好み焼きに、焼きそばに、なんならオーナーがすすめる輪切りトマトでもいい。初めてなら一滴たらすだけで十分だ。風味絶佳のソースが、あなたの舌を目覚めさせるに違いない。くれぐれも、かけすぎにはご注意を。


ツバメ食品
京都市南区東九条西明田町26
075-681-5796
https://tsubamesauce.com/

・ツバメソース(ウスター)500ml 360円(税別)

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